WELAGO開所式レポート(座談会編)

Report
2023.06.24

2023年5月18日、『Izu-Oshima Co-Working Lab WELAGO』の正式開所に合わせて、WELAGOと株式会社フロンティアコンサルティングの本社である『OTEMACHI KORTO』の2つの拠点をつないで開所式を行いました。今回はそんなWELAGO開所式における座談会の様子についてレポートします。

プロジェクトメンバーによる座談会

開所式では式典後にプロジェクトに関わった関係者で「都市と地方の共存に向けた場の重要性」をテーマに座談会を開催しました。

<座談会に参加してくださった皆さん>

坂田 真也さん 株式会社スノーピークビジネスソリューションズ 取締役 事業戦略本部 本部長
ダニエル・ハリス・ローゼンさん TokyoDex株式会社 代表取締役 兼 クリエイティブ・ディレクター
後尾 志郎さん tonari株式会社 創業メンバー・ファイナンス
伊藤 奨 株式会社TIAM 代表取締役社長
千葉 努 株式会社TIAM 代表取締役最高技術責任者
稲田 晋司 株式会社フロンティアコンサルティング 執行役員 デザイン部 部長
(以下、敬称略)

稲田
ー先ほどは、開所式にご参列頂きありがとうございました。それでは『Izu-Oshima Co-Working Lab WELAGO』の開設に携わってくださった皆さんと、本施設の開所を記念してお話をしていきたいと思います。まずは、自己紹介からお願いします。

伊藤
ー株式会社TIAM(以下、TIAM)の伊藤です。開所式でのご挨拶では勇気がなく言えなかったのですが、「いと〜まん」と呼んでください笑。一緒に会社をやっている千葉とは、それぞれが離島に在住しており、私は8年前に三宅島に移住して、主にゲストハウスやガイド業を行っています。最近では、フロンティアコンサルティングさんの本社『OTEMACHI KORTO』で、都市の方と島の方が一緒に特定のテーマについて考える場づくりや、ワークショップの開催もしています。本日はよろしくお願いします。

千葉
ーTIAMの千葉と申します。出身は神奈川県ですが、今から13年前の2010年に大島に移住してきました。普段は島内でデザインオフィスを営んでおり、島内の事業者さんや各団体の事業に関わるデザイン等をさせていただいております。

TIAMでは、東京諸島で様々な思いを持って活動をされている方の情報を知ってほしいという思いから、それらを記事化し『東京都離島区』というWEBメディアで発信しています。また、メディアを通じてできたご縁を活用して、イベントをしたり、コミュニティの場をつくってきました。今回、大島にWELAGOという拠点ができたことで、我々としても、さらに東京の島々を一緒に盛り上げていく活動ができると大いに期待をしています。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

ダニエル
ーTokyoDex代表のダニエルと申します。よろしくお願いします。我々の会社ではオフィスアートの制作をメインに行っています。今回、WELAGOでのアート制作のお話を頂いた時は、他プロジェクトとの兼ね合いもあって、お受けしようか(できるか)迷いましたが、最終的には伊豆大島に行きたいという想いが勝り、お受けすることにしました。今回は私も久しぶりにアーティストと一緒に現場に入ることになったのですが、そのおかげもあって、久しぶりに現場での段取りとか、プロジェクト遂行に係るあらゆるタスク管理を全て自身で担わなければならず、プロジェクトマネージャーへの敬意や感謝の気持ちを身をもって再確認することができました笑。

何より日常的な場所から離れ、自然豊かな離島での創作活動は、とても貴重な時間となりました。さらに、夜には打ち上げの席にもお招き頂き、プロジェクトメンバーの皆さんと楽しい時間を過ごせました。

今回の座談会ではWELAGOを含めて、自分たちの活動を地方に広げていくための課題について、話せたらいいなと思っています。どうぞよろしくお願いします。

稲田
ーありがとうございます。TokyoDexさんにはWELAGOのスペースを一際印象づけてくれるアートを手掛けていただきました。チャレンジングなプロジェクトだった分、プライスレスな時間や体験を提供できたのであれば嬉しいです笑

坂田
ースノーピークビジネスソリューションズ(以下、SPBS)の坂田と言います。よろしくお願いします。親会社は、キャンプ用品販売やキャンプ場を展開しているスノーピークです。SPBSは、働くをテーマにキャンプ用品やITサービスの提供を行っています。元は愛知県で20年近くやってきたIT会社でしたが、ITの力を使って外で働くというスタイルを模索するなかで、キャンプの可能性を感じ、スノーピークに想いを話したところ、あっという間に合弁会社へ、そして完全子会社へと発展していきました。現在(2023年2月21日 時点)、スノーピークとして全国26の拠点と包括連携協定を結ばせていただいて、地域活性化に取り組んでおります。

稲田
ーありがとうございます。先日もSPBSのスタッフの方にご来島頂き、テントやタープの設営講習をしていただきました。その後は山から街中まで、さまざまなところに引き摺り回し、島の時間を楽しんでいただきました笑

後尾
ーtonari株式会社の後尾(ごのお)と申します。私たちは20数名ぐらいのスタートアップですが、5年前の創業時から稲田さんとはご縁をいただいています。当時、オフサイトで大島に足を運んだ際にも、地方と都心を結ぶことをどうすれば実現できるかということを熱くお酒を交わしながら話しました。私たちはこのtonariの提供を通じて、WELAGOのプロジェクトに参加しておりますが、コロナが発生する前から空間を超越したソリューションが図れないかと考えていて、WELAGOのようなシェアオフィスやサテライトオフィスを会社と繋げることで、都市に出社しなくても地方に住みながら働くことができる、そんな柔軟なライフスタイルを目指しています。

稲田
ーtonariの皆さんに大島に来ていただいたのが2019年6月。その時に語った想いがこういった形で実現できたことを、本当に嬉しく思います。

では、本題に入りたいと思いますが、皆さんがすでに実践されている取り組みで、今後のWELAGOの活動の参考になるようなケースがありましたら教えていただけませんか?

ポイントは巻き込む力と核になる想い

坂田
ーアウトドアギアの強みは、どこにでも「場」をつくれることだと思います。よく地方に伺うと「うちには何もないからね」と言われる方がいらっしゃいますが、そんなことは決してないと考えています。地方の中には手がつけられていない森林や趣のある場所がたくさんありますが、地元の方々ほど、その風景が特別ではなく日常となってしまっていたり、そこでどう過ごしていいか分からかったりするわけです。何もない、人間の手が入っていない自然というのは、それだけで特別なものなんですよね。そのような時に、アウトドアギアで「場」つくると自然をダイレクトに感じられるようになるし、そのような体験が一番贅沢だよねって、よく話をします。

例えば、高知県の越知町を通る「仁淀川」は、日本一綺麗な川と言われていますが、そこにスノーピークとしてキャンプ場を作らせていただいたことで、真っ青な仁淀ブルーを横目に見ながらキャンプを楽しめる場所になり、色々な方に来ていただけるようになりました。

都市には都市の良さがありますが、地方の魅力に気づいた人が都市から流動していくというかたちがいいのではと僕らは思っています。なぜかというと、文明の発展につれて、失われてきている『人間性』の大切さに僕らは着目していて、自然の体験を通じて、失われた人間性を回復していくことに貢献できたらと思っているからです。文明自体を否定するのではなく、先人が知恵を絞って発展してきた文明をうまく活用しながら、自然に寄りそう機会をつくることでバランスをとっていければと思っています。

今では各地でご賛同いただいたパートナーさんが、スノーピークの看板を背負ってキャンプ場等の運営を行っています。都市部の働く人たちがどんどん地方に行って、地方の魅力に気づきながら新しい発想を得て、また都市部に戻って新しいビジネスをやりながら前へと進んでいく。その循環の中から地方の人とのコミュニティも生まれるので、とても良い流れだなと思います。

稲田
ー今日も本施設の芝生エリア(SHIBAFU)にスノーピークさんのキャンプギアを設置していますが、自然の中に身を置くことで、普段とは異なるパフォーマンスが発揮されるので、ぜひ体感して頂きたいですね。坂田さんは色々な企業と取り組みをされている中で、地方創生や地域活性に長けている企業や人物をご存じだと思います。僕らのように取り組みの初期段階にあるコミュニティに対して、アドバイスはありますか?

坂田
ー活動が実際に起こっていく方々には、共通して地域の人たちを巻き込む力があると感じます。自身の活動を色々な媒体を通じて発信する機会があると思いますが、ポイントは闇雲に発信するのではなく、核になる想い、つまり、パーパスや思想をしっかり定めて発信することが大切だと思います。地方を活性化させていくには、これといったテンプレートがあるわけではなく、いろいろな方々を巻き込んで、アクションがじわじわと動いていくことが重要だと思います。

稲田
ー巻き込みでしたら、千葉さんや伊藤さんが得意とするところですよね?

伊藤
ーいや、そうでもないですよ笑。そう思ってやってはいますが、僕らはあんまり思想を伝えられてないねって話していて、それはつまり、日々地域の業務に追われていることもあって、思想を伝える活動がなかなかできていないと感じています。これを機に目指していることを示した上でそれに向けて、今これをやっているんだ、ということを丁寧に伝えられるように整理していきたいと思っています。

WELAGOについても、島外の企業が手がけた綺麗なコワーキングスペースという見え方だと、島の内側からしたら黒船の襲来的な感覚を持たれてしまうと懸念していて、そこを島の内側の僕らが、これは単にコワーキングスペースをつくりたかったのではなくて、東京の島々のコミュニティを活性化させて、島が持続的に続いていくことを目指している、ということをしっかり一人一人に言語化して伝えていかねばならない状況に、非常に緊張感を持っています。

地域のコミュニティに入っていくことで生まれる関わり

ダニエル
ーWELAGOで、合宿パッケージや、コワーキングパッケージのようなものが提供できたらとてもいいですよね。自分のチームを連れていきたいと思った時に、現地での移動はどうする?泊まる場所はどうする?とか、例えば、金土日で行程を組んだ場合に、土日を観光の日にするとした場合、レンタカーが必要だったり…、自前で全部パッケージを組むと従業員に手間をかけさせてしまうので、WELAGOを軸にパッケージングサービスがあると便利ではないかと思います。

稲田
ーそうですよね。実際企業さんからの利用相談もあるので、そういったところは考えていきたいですね。本日は東海汽船さんも開所式にご参列頂いており、交通インフラや旅行会社さんとも連携しながら良い仕組みを作っていけたらと思っています。

ダニエル
ーモビリティも課題だと思います。初めて行く場所だと距離感が分からないですよね。今回、車がなくても大丈夫だろうと思って自転車を借りましたが、宿からWELAGOまで結構距離がありました笑。今回のプロジェクトメンバーで力を合わせて、それこそスノーピークさんにような会社の力も借りて、島の体験を一緒に考えられたらと思います。

後尾
ーそれで言うと私たちtonariは、まるまる会社ごと大島の関係人口として本プロジェクトに参加しています。創業2年目のタイミングでオフサイトをしようと場所を探していたときに、稲田さんから伊豆大島を紹介していただいて、数日間、大島に入って経営のディスカッションを実施しました。夜には島のおばちゃんたちがお寿司を持ってきてくれたり、泊まる場所も稲田さんの地元の繋がりでご紹介いただきました。宿泊施設や飲食店とお客さんという単純な関係を超えて、地元のコミュニティの一員として参加させてもらった感覚があって、稲田さんを通じてお互い信頼ある中で一緒に時間を過ごしたことをきっかけに、どんどんコミュニティの中に入っていった実感があります。今回のプロジェクトもその延長線上にあるという想いがあり、時間をともに過ごすということが、価値としての本質的なところかなと思いますね。

稲田
ーtonariさんは代々木のオフィス以外にも逗子の方にも拠点を持たれていますよね?

後尾
ーはい、私たちの中心となるオフィスは東京の代々木にありますが、チームの3分の1ぐらいは神奈川県の葉山に住んでいるので、葉山にもオフィスを設けて、tonariで代々木と常時繋ぎっぱなしにしています。チェコをはじめとした海外にもエンジニアがいるので、チェコとも繋げていたり、さらにはシンガポール、スペインなど、アメーバー的に小さなオフィスを繋いでいます。

スタートアップって少ない人数であれこれ話しながらゴタゴタ仕事をする傾向にあるので、分業ってどうしてもできないんですよね。私たちと同じようにメンバーが各地に散らばって活動している企業にとっては、tonariのような常時コミュニケーションが図れるツールがなく、例えば用事がある時だけ連絡をするような状態だと、チームの一体感が失われたり、場の共有ができないというのが課題になりがちですが、tonariがあることで、私たちのチームは成り立っています。

稲田
ー葉山では、地域の方と何かやられていることはありますか?

後尾
ーそうですね、『もしもカフェ』というスペースをメンバーが運営していて、そこでさまざまなイベントをやっています。個人プロジェクトとして子供向けの教育であったり、ハロウィンといった季節のイベントであったり、あとはその場で実験的に社会問題にアプローチするようなイベントも一般社団法人としていくつかやったりして、地域の人たちを巻き込むような活動をしています。

稲田
ーtonariを活用したイベントは、WELAGOとしても学べたらいいですね。千葉さんは元々kichiというコミュニティスペースを運営されていましたよね?改めてこのようなコミュニティが生まれる場所を運営するようになって、何かイメージされていることはありますか?

千葉
ーそうですね、伊豆大島は東京から近いというのが一番の特徴だし、価値だなと思っていて、東京って大都市なので、様々な背景や肩書きを持った方、バックグラウンドを持った方がいらっしゃいますよね。例えば大企業に勤めている方とか、普段はなかなか腹を割って話せない関係でも、なぜか島にいると腹を割って話せるというか、一度、場を大きく転換することで、不思議と深い関係になれるという空気が自然豊かな地方にはあるので、お互いの地域の良いところを活かして、ミックスして、新しいことを生み出す動きが起こると良いなと。

稲田さんがおっしゃるとおり、元々大島の元町港付近でコミュニティスペースを運営している時期があって、いろんな島内外の方を巻き込んでさまざまなイベント企画していたことがあるのですが、そんな経験を通じて思ったことは、どんどん開いていくことが大事だなと思っていて、なんでも開いて受け入れる。そういったマインドを持って行動しようという姿勢がスペースをやっている中で芽生えました。そういった流れで今回WELAGOという場所ができたのは自分の中でとても良い流れだなと思っています。この場所で色々な方が入り混じって、交流しあって何かが生まれてくる。島にはさまざまな社会課題や難しい課題がありますけど、そういったところを一つ一つみんなでアイデアを出しあって解決に向けたアクションが起こせたらいいなと思っています。

稲田
ー「コミュニティ」ってなかなかイメージしずらい部分がありますが、リアルな場所があるとイメージが湧きやすく、ファーストステップが踏みやすくなると思いますね。WELAGOをつくっていく中で、「ここでこういうことやってみたい」とか、地元の方からも」この場所をもっと活用できればいいのにって前から思ってたんだよ」と声をかけられたり。実際にスペースが生まれ変わることで、よかったねと感じてもらえるのはもちろん、場があることで具体的な活動をイメージしやすくなるのだと思いますね。

そういえば、今回、WELAGOの施工をしていただいたのが、後ろの席(大手町側の後部座席)で先ほどからウンウンとうなずかれている株式会社drawersの鈴木さんなんですが、計画段階から継続して伊豆大島に来島されていて、島の方と仲良くなったり。特にスナックのことに関しては大島出身の僕よりも詳しくなりましたよね笑
まさにWELAGOという場所を通じて、地域コミュニティに足を踏み入れた方だと思います。

続いて、今後WELAGOという場所に期待することをお伺いしたいと思います。

都市と地方の共存に向けた場の重要性

後尾
ー場を作るとか、場の価値を高めるという観点で、島に来てから関係性がはじまるのではなくて、その助走の場として、何の気なしに大手町に来るとWELAGOとの関係が自然にはじまっていくというのを、tonariが装置になって上手にワークさせたいですね。そのためには研修といった硬いことも行いつつ、柔らかいイベントも織り交ぜていくことで、ここが周囲に開いていって、賑わっていって、友達も誘って行けるような、そういった温かいものになっていけばいいなと思います。

例えば、大島には、季節ごとの旬のものや美味しい海の幸があると思いますが、それって多分東京にいると気づき得ないことだと思うんです。ですがWELAGOで何か島の美味しいものを食べていて、大手町側からそれを目撃して「それなんですか?」といったコミュニケーションが生まれたりすると面白いと思います。

千葉
ーその土地ならではの食べ物って色々な歴史や文化が積み重なってそこにあるもので、そんな裏に隠された物語を私たちは語れるので、初めて食べる方はその物語を聞くことで貴重な経験になるし、より美味しく召し上がることができます。お互いのイイものを出し合うというか、情報を交換することでまた新しい価値が生まれるというのは、すごく魅力的なことだなと思いますね。

坂田
ー色々活用できるハブになる場所だなと思いますね。スノーピークがグループ全体で行っているサービスに『LOCAL TOURISM』 シリーズというものがあります。さまざまな土地の失われてしまいそうな伝統文化というものにフォーカスして、実際に体験しながらその土地に根付いた思想や、人間が本来大切にしてきたものに気づき、日本の魅力的な文化、産業を未来に継承していく旅になっています。

SPBSではその中で、働き方にまつわる『LOCAL WORK TOURISM』を経営者向けの研修ツアーとして実施していて、愛知県岡崎市の中で自然の恩恵に与りながらビジネスを発展させているイノベイティブな経営者や企業を視察しながら、自然の大切さであったり、サスティナブルな経営の在り方について開眼し、次の10年の経営の在り方についてビジョンを見据える機会というもの提供しています。夜は経営者同士が焚き火を囲みながらディスカッションをするんですが、焚き火を囲むと初めて会ったとは思えないぐらい関係が深まるんですよね。肩書きとかかぶっている鎧が外れて、素の人間同士のかけがえのない対話になるので、非常に距離が縮まります。そういった機会は、経営者が自分たちの経営の在り方を見直す良い機会になっていると思います。

大島でも自然を活かした産業であったり、イノベイティブな人たちを見学、視察しながら、参加されている経営者の皆さんが次のステージをどう変革していくべきか、考える機会を提供されたら良いのではないかと思います。また、『LOCAL WORK TOURISM』を入口に地元の人たちと触れ合うと、もう一回行ってみたいと思っていただけるので、その次は1週間滞在していただくような『LOCAL STAY TOURISM(仮称)』を企画することで、以前に出会った島の経営者さんや地元の方とのコミュニケーションに厚みがでて、愛着とともに島のことをもっと知ってもらったり、大島の資源の大切さや価値を感じていただけるようになると思います。

そして、一番いいのはローカルサテライトですね。サテライトオフィスを作りたいという動きが起こると、どんどん人の流動が起こって、島の資源が有効的に活用できるのではないかと思います。その土地ならではの資源は、新鮮なものや旬なものですが、まさに人間の活力そのものだったりします。そういったものを感じてもらいながら、経営者の皆さんが元気になり、企業が健全に発展していくことで、お互いがwinwinになれる関係を作ることが大切だと感じます。そんな動きがWELAGOだったら実現できるのではないかと思いました。ぜひ引き続き一緒に取り組んでいければと思います。

稲田
ー「一緒に取り組む」と言って頂きありがとうございます笑。島嶼地域には色々な魅力がありますが、大島は東京諸島への玄関口として、活きた火山があって、火山に由来した特徴的な自然や文化がある中で、時代の流れとともに失われてしまったもの、失われつつあるものもあるので、そういったところがビジネスや新しい事業の種になるのであれば有効的に働くのではないかと思います。

ダニエル
ー私たちがアートワークを完成させたときは施設もまだ工事中で、完成形は(リアルで)まだ拝見できてないのですが、実はこのスペースは我々にとってすごく貴重なものだったりします。というのは、我々が普段アート制作を行うのは、企業が自社用に利用するプライベートなオフィスがメインなので、お客さんを呼べるようなスペースでの実績があまりありません。そのため、自分達が手がけたアートがあるWELAGOにお客さんをお招きして、合宿やワークショップを現地の方々の力をお借りしながら、実施できたら良いなと思っています。まずは私たちのチームで合宿をやって、現場で夢を見るような打ち合わせができたらと。年内に実施したいですね。

稲田
ーありがとうございます。それでは座談会も終わりの時間に近づいてきました。最後に伊藤さんと千葉さんから皆さんのお話を伺った上で、今後に向けての抱負をお伺いしたいと思います。

伊藤
ーはい、私たちは当事者になります。なので、とにかく自分たちがやらなければどうにもならない状況ではあります。島にすでに足りないものはたくさんあって、右肩下がりで人が減っていくのは、ほぼ決まっていることだったり、島に暮らしている我々だけではできないことがたくさんあります。今回のWELAGOプロジェクトをご一緒した皆さんとの関係もそうですが、さまざまな繋がりからいい意味で「助けてください」と言える関係性ができるのではと思っています。

ポイントは、誰でもというわけではなく、島に対して愛を持っている方というのが大前提で、さらに、それぞれが持つ技術やリソースを持ちよって支え合うような、そういう繋がりが見えていることは非常に豊かだし、これからさまざまな困難且つ大変なことが起こるとしても、そういったかけがえのない繋がりを財産に、それを僕らがつないで、本当に大切なものに取り組める状況を作って行ければと思っています。なので、助けてください!笑

千葉
ー僕らはずっと東京諸島に対する関わりしろをつくっていきたいと話していて、東京諸島という地域を自分ごと化してもらうきっかけをつくっていくことが大切だと思っています。その理由としてはやはり危機感というのが大きくて、少子高齢化や産業の衰退が進む島しょにおいて、このまま成り行きの未来をたどっていくことで、いつしかこの地域から誰もいなくなってしまう状況が生まれかねないという、そんな危機感を持ちながら、未来を見つめた活動をしたいと、伊藤と話が合って会社を起こしたという経緯があります。

そういった中で、未来を意思ある未来に変えていくためには地域に対する関わりしろだったり自分ごと化してもらうきっかけをどんどん作って提供していく必要があるなという想いがある中、今回のようなプロジェクトに関われることができたので、我々としても本気で取り組みたいと思っていますし、全力で皆さんと一緒に歩んで行けたらと思っています。

稲田
ー今回プロジェクトをご一緒していただいて本当にありがとうございます。今TIAMのお二方からのお話の通り、いただいたご縁を今後も継続させて頂けたら幸いです。継続することで、何か新しいことが生まれてくると思うので、WELAGOと握り合った手を振り解かないようによろしくお願いします笑。今日はありがとうございました!

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